住宅が空き家になると、放置しておくことで建物の劣化や犯罪リスク、税金や法的問題などさまざまなリスクが生じます。特に高齢者が施設に入居したり、相続で空き家が発生した場合には、管理の負担が所有者に直接のしかかります。ここでは、空き家を安全に管理するための具体的なポイントを解説します。

定期的な点検とメンテナンス

空き家管理の基本は定期的な点検とメンテナンスです。建物は人が住まなくても劣化が進みます。具体的には以下の点を確認しましょう。

• 屋根や外壁のひび割れ・破損

• 雨漏りや水回りの異常

• 玄関や窓の施錠状態

• 雑草や樹木の伸び具合

目安としては月1回程度の訪問が理想です。特に雨漏りや破損は放置すると建物全体に影響するため早めの修繕が必要です。

家財、荷物など

空き家は空き巣や放火などの犯罪リスクが高くなります。以下の対策が有効です。

• 窓や扉の施錠を確実に行う

• 防犯用ライトやセンサーを設置する

• 郵便物や新聞が溜まらないよう管理する

• 近隣に空き家であることを知らせず、定期的に人の出入りを見せる

また、貴重品や現金は空き家に置かず、親族や信頼できる場所で保管しておくことが重要です。仏壇や神棚についてはお位牌・お仏壇、お札・お社の魂抜きをし、お焚き上げやお引越しをします。

水回り・給湯器・浄化槽の管理

空き家では水回り設備の劣化やトラブルも多く発生します。管理ポイントは以下の通りです。

• 給湯器：凍結防止ヒーターがついているため、通電しておくことが望ましい。長期間使用せず、電気を止める場合は元栓を閉め、凍結や故障を防ぐ

• 浄化槽：定期的に清掃や点検を行い、悪臭やトラブルを予防する

• 排水口の封水：封水（トラップ内の水）が蒸発すると下水臭が上がります。定期的に水を流す、または封水剤を入れると安心

さらに、換気も重要です。窓や換気口を開け、空気を循環させることで湿気やカビの発生を抑えられます。

建物の保険・契約の確認

空き家になると、火災保険や地震保険の契約条件に影響する場合があります。保険会社によっては、居住者がいない住宅は補償対象外になることがありますので、空き家になった時点で契約内容を確認してください。

また、電気・ガス・水道は必要最低限の契約に切り替えることでコストを抑えられます。特に水道は封水維持のために止めすぎないよう注意が必要です。

法的・税務面の留意点

空き家を放置すると、市町村から「管理不全空き家」「特定空き家」に指定され、改善命令や過料を受けたり、固定資産税等の減税がなくなってしまったりする場合があります。

• 固定資産税の軽減措置が適用されない場合がある

• 相続や売却時に評価額が変わることがある

• 指定を受けると行政代執行で費用が請求される場合がある

これらのリスクを避けるためには、早めの管理・修繕・売却・賃貸活用の検討が重要です。

専門家への相談

空き家管理には、建物の点検・修繕・防犯・法的対応などの専門知識が必要です。株式会社あおばのような不動産会社や、管理会社、司法書士に相談することで、負担を軽減しながら安全な管理体制を整えることができます。特に遠方に住む所有者や高齢者の場合は、信頼できる第三者による管理サポートが有効です。

まとめ

空き家を安全に管理するためのポイントは以下の通りです。

1. 定期的な点検とメンテナンスで建物劣化を防ぐ

2. 防犯対策で安全を確保

3. 水回り・給湯器・浄化槽・排水口の封水を適切に管理

4. 保険・契約内容の確認で損害リスクを減らす

5. 法的・税務面の注意で行政指導や課税リスクを回避

6. 専門家に相談して負担を軽減し、安心の管理を実現

空き家になってしまった場合でも、適切な管理を行えばリスクを最小限に抑えられます。まずは状況を整理し、どのポイントから手をつけるか計画することが大切です。