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遺言書の種類と作成方法を徹底解説!
自筆・公正証書・秘密証書遺言の違いと
メリット・デメリット
遺産相続を「する方」(被相続人)が行うべき生前対策として「財産把握」「生前贈与」「遺言書作成」「家族信託」の4つを挙げさせていただいておりますが、豆知識コラム帖でより詳しい内容をお伝えしたいと思います。こちらのコラムでは「遺言書作成」について。
次世代のために遺言書の作成を
遺言書の作成は、遺産分割におけるトラブルを防ぎ、遺族の負担を減らすために非常に重要です。遺言書を作成することで、自分の意思を明確に示し、相続人が遺産をどのように分けるかを決定できます。以下に、遺言書の種類と手続き、メリット・デメリットや注意点について詳しく説明します。
1. 遺言書を作成したほうが良い理由
遺言書を作成することで、以下のようなメリットがあります:
- 相続トラブルの防止:遺言書がないと、相続人間で遺産分割について争いが起きる可能性があります。遺言書があれば、あらかじめその意思を示すことができ、争いを未然に防げます。
- 遺族の負担軽減:遺産分割の際に相続人間で意見が分かれることなく、スムーズに遺産を分けられます。また、遺言書によって、遺族がどのように行動すべきかが明確になります。
- 特定の遺族に対する配慮:遺言書を作成することで、特定の遺族に対して特別な配慮をすることができます。例えば、子供に特定の財産を渡すことなどができます。
2. 遺言書の種類と違い
遺言書には主に3種類あります。それぞれの特徴と手続き方法、メリット・デメリットを説明します。
(1) 自筆証書遺言
- 制度概要: 自筆証書遺言は、遺言者が手書きで作成する遺言書です。比較的簡単に作成できるため、誰でも手軽に作成できます。
- 手続き方法: 遺言者が自ら書いた遺言書に署名し、日付を記入します。また、全てを自筆で記入する必要があります(代筆不可)。
- メリット:
- 作成が簡単で費用もかからない。
- すぐに遺言内容を変更できる。
- デメリット:
- 不備があると無効になりやすい(例えば、日付の不記入や署名の欠落など)。
- 文字が判読できない場合や紛失のリスクがある。
- 法的な効力を持たせるためには家庭裁判所での検認手続きが必要です。
(2) 公正証書遺言
- 制度概要: 公正証書遺言は、公証人役場で公証人の立会いのもと、遺言書を作成する方法です。公証人が遺言書を作成し、その内容を確認してもらいます。
- 手続き方法: 公証人に遺言書の内容を伝え、遺言書を作成してもらいます。証人2名が立会い、遺言者が署名します。
- メリット:
- 作成した遺言書は法的に強力で、家庭裁判所での検認が不要。
- 遺言書の内容が明確で、後から争いになる可能性が少ない。
- デメリット:
- 公証人費用がかかり、手続きが少し煩雑。
- 一度作成すると変更が面倒であるため、内容を簡単に変更できません。
(3) 秘密証書遺言
- 制度概要: 秘密証書遺言は、遺言者が作成した遺言内容を封印し、公証人に証人として立ち会ってもらう方式です。遺言内容は秘密にされます。
- 手続き方法: 遺言者が自ら遺言内容を書き、封印した上で、公証人と証人に立ち会ってもらい、署名を受けます。
- メリット:
- 内容は秘密にできるため、他人に遺言内容を知られずに済む。
- 作成は比較的簡単であり、秘密を保ったままで遺言が可能です。
- デメリット:
- 遺言書の内容に不備があった場合、無効になりやすい。
- 法的効力を発揮するためには、家庭裁判所での検認が必要です。
3. その他知っておくべき事項
- 遺言書の効力発生時期: 遺言書の効力は、遺言者の死亡後に発生します。したがって、遺言者が生前に遺言書を変更した場合、最新の遺言書が優先されます。
- 遺言書の変更・撤回: 遺言者はいつでも遺言書を変更したり、撤回したりすることができます。新しい遺言書が作成された場合、古い遺言書は無効となります。
- 遺言執行者の選任: 遺言書に遺言執行者を指定することができます。遺言執行者は、遺言書の内容を実現するために必要な手続きを行う役割を担います。
4. 遺言書作成の際の注意点
- 法的要件を守る: 遺言書には法的な要件があり、これを満たさないと遺言書は無効になることがあります。例えば、日付や署名を欠かさないことが重要です。
- 第三者による影響を避ける: 遺言書の内容が第三者に強制されないよう、慎重に作成しましょう。また、遺言書を作成したことが他人に知られないように管理することが大切です。
5. まとめ
遺言書を作成することで、遺産分割に関する問題を事前に防ぎ、遺族が困らないようにすることができます。自筆証書遺言、公正証書遺言、秘密証書遺言にはそれぞれメリット・デメリットがあり、状況に応じて適切な方法を選択することが重要です。遺言書は定期的に見直すことが推奨されますので、変更や更新の際は専門家に相談し、法的な要件を守った上で作成しましょう。